花粉症とはどんな病気?
スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、くしゃみ、鼻水などのアレルギー症状を起こす病気です。季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。
現在、日本人の約25%が花粉症といわれています。原因となる花粉の飛ぶ時期にだけ症状が出ます。
花粉症の原因
症状のしくみ
- 体の中に花粉という異物(アレルゲン)が侵入すると、「IgE抗体」を作って異物を結合させ体内から排除しようと働きます。
- IgE抗体は鼻や目の粘膜の肥満細胞の表面にあります。
- 異物と結合すると肥満細胞から化学物質(ヒスタミン)が分泌され、くしゃみや鼻水、涙で花粉を対外に排出しようとしたり、鼻づまりで花粉を中にいれないようにしたりと防御機能が働きます。
花粉症の主なアレルゲン
スギ、ヒノキ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、シラカンバなど
約70%がスギ花粉症であると推察されています。
花粉症増加の原因
- スギ花粉の増加→戦後に大量植林されたスギが開花適齢期を迎え、さらに地球温暖化の影響を受けて飛散量が増加している。
- 排気ガス・大気汚染→排気ガス等により汚染された大気中の微粒子が抗体を産生しやすくしている。
- 食生活の変化と不規則な生活リズム→高タンパク、高脂肪の食生活や不規則な生活リズム、ストレス過多がアレルギーを発症しやすくしている。
- 住環境の変化→通気性の少ないダニやカビの温床を作りやすい住宅環境がアレルギーを発症しやすくしている。
花粉症の検査法と診断
花粉症と正しく診断する方法には、アレルギー検査として血液検査と皮膚検査があります。
血液検査
血液内の好酸球、IgE抗体、花粉に反応するIgE抗体を調べます。血液検査により、どの花粉が原因かも特定します。
- 樹木
- 雑草
- 抗ヒスタミンだけでは症状が改善しにくいため、最近では抗ロイトコトリエン薬など鼻づまりに効果的な薬が登場しました。
- 重症の鼻づまりには鼻噴霧用ステロイド薬が有効です。
- 帰宅時には帽子やコートに付いた花粉を玄関先で落とす
- 外出時にはできるだけ花粉を体に付けないようにする
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- つばのある帽子を被る
- マスクを着用する
- 帰宅時には帽子やコートに付いた花粉を玄関先で落とす
- 室内対策
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- 空気清浄機より加湿器が有効(鼻の内側の粘膜を守り、空気中の花粉を床に落とす効果が期待できます。
- 生活習慣
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- 食事は1日3食バランス良く食べて体の抵抗力を高める
- お酒は症状を悪化させる可能性があるので控える方がよい
- ぬるめの湯にゆっくり入ると鼻づまりの改善効果があり、鼻腔、のど、目の粘膜の修復に役立つ
- 精神的ストレスが強いと花粉症の症状が重くなる。薬を正しく飲みぐっすり眠る、リラックスした生活を送ることで症状改善につながる
- その他
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- 目の対策には、レンズ上端にひさし状の覆いがある花粉対策用の眼鏡が効果的
- コンタクトレンズの装着時などに使う人工涙液で目を洗う
- 目のかゆみが治まるまで冷やしたタオルなどを目にあてる
スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ、マツ、カエデ、ブナ、ビャクシン、コナラ、 イネ科:カモガヤ、オオアサガエリ、ハルガヤ、ギョウギシバ、ナガハグサ、ヒロハウシケグサ、ホソムギ、アシ、コヌカグサ、セイバンモロコシ、コムギ、オオスズメテッポウ、スズメノヒエ |
ブタクサ、ヨモギ、ブタクサモドキ、オオブタクサ、ニガヨモギ、フランスギク、タンポポ、ヘラオオバコ、シロザ、アキノキリンソウ、ヘメスイバ、イラクサ、カナムグラ |
皮膚検査
花粉の成分で皮膚を少しひっかいて反応を見るスクラッチテスト、微量のアレルゲンを皮内に注射して反応を調べる皮内テストがあります。
花粉症の治療法
花粉症と正しく診断する方法には、アレルギー検査として血液検査と皮膚検査があります。
くしゃみ、鼻水、のどのかゆみなど
抗ヒスタミン薬を毎日きちんと飲むことで症状が抑えられます。
鼻づまり
完全に鼻がつまってしまうと症状が改善するまでに時間がかかるため、早めに医師の処方を受けることが必要です。
目のかゆみ
症状の頻度で2番目に多く(日本眼科アレルギー研究会調べ)、かゆみの他、ごろごろする、瞼の皮膚が荒れてかゆいなどの場合もあります。
アレルギー用点眼薬を本格的な飛散の前から毎日使用することで軽減できます。